インプラントの治療期間については、施術する方法(1回法か2回法か)やインプラントを埋入する場所、本数、患者の状態等、個々の症例によって異なってきます。
それを踏まえた上で、平均的な治療期間は2ヶ月~半年程と言われています。しかし、インプラントと骨とがしっかりと結合(オッセオインテグレーション)するには、一定の期間が必要であり、この期間はインプラントを埋め込んだ場所の骨の状態に大きく左右されます。
この結合期間に加えて、顎骨の骨密度が低い場合は骨移植等の骨の造成が必要になり、その分治療期間は延びることになります。治療に1年近く必要になったという事例もありますので、自分が治療を受ける際に必要となる治療期間も、担当の医師としっかりと相談した上で治療を受けるかどうかを決める必要があります。
抜歯から治療を行う場合
すでに歯が無い場合を除き、通常は抜歯から治療開始とするパターンが多いと思います。その場合は、抜歯からインプラントの埋め込みまでに約6~8週間の治癒期間を置く必要があります。抜歯後に歯肉がしっかりと治るのを待つ必要があるためです。
抜歯即時埋入法
病院によっては抜歯と同時にインプラント本体を埋め込む「抜歯即時埋入法」を採用している病院もありますので、病院が遠方で通院が難しい場合や、治療にあまり時間をかけることが出来ない場合であれば、この方法によって治療を検討することもできます。
上顎と下顎でも治療期間に違いが出る
通常、下顎よりも上顎の方が治療期間がかかるとされています。これは、上顎の骨が下後の骨よりも脆いことが原因です。
平均的なそれぞれの治療期間は、上顎で約3ヶ月、下顎で約2ヶ月と言われていますが、インプラント治療を受ける部位によって治療期間に差が出るのはこの様な理由があるためです。
歯周病に罹患している場合はまずは歯周病を治療する
別ページ(歯周病患者でもインプラントは可能?)でも詳細に説明していますが、歯周病に罹患(りかん:病気にかかっているという意味)している場合は、まずは歯周病を治療する必要があります。
歯周病を治療する期間も含めると、インプラント治療と含めて半年以上が必要になることも少なくありません。歯周病に罹患したままでは、インプラント本体と骨との結合はうまくいかず、仮に上手くいったとしても、何れは歯周病(インプラント周囲炎)によって抜け落ちてしまいます。