前回の施工にて、インプラント体とアバットメントの上に、作成した人工の歯が無事固定されました。思えば奥歯の抜糸から始まり、特に悩むことも無く歯科インプラントの施術に踏み切ったわけですが、今更ながら思い切った決断であったなと・・・。
しかし、私の場合はここからが本番といいますか、ここで無事全てが終了とはいきませんでした。
違和感との戦い
人工歯を装着してから暫くは、違和感の様なものがずっとありました。抜歯後、しばらく「空洞」とないっていた箇所に突然新たな歯が現れたので、この違和感は当然ではあるのですが、「自分の体の一部では無いモノ」がそこにあるという感覚は、今まで味わったことがない不思議な感覚でもありました。
この感覚はそのまま「違和感」となります。インプラント体を埋め込んだ時には、全然違和感の様なものは無かったのですが、固定した人工歯は舌や口腔内に直接触れることになりますので、違和感も出て当然ですね。
インプラント自体は完全に骨とくっついていますので、咀嚼(そしゃく)も左側で普通に行うことができるのですが、装着して暫くは、普通に食事を摂るにもおっかなびっくりです。
もしかしてインプラントが抜け落ちてしまうのでは?とか、アバットメントに固定している人工歯が外れてしまうのでは?といった具合ですね。とにかく咀嚼に気を使うような状態が暫く続くことになります。
そして無くならない違和感。噛み合せがおかしいとか、そういったものではありません。とにかく「違和感」なのです。私の場合、ちょっと神経質すぎたのかもしれませんが、この違和感に慣れるまでに、かなりの時間を要することになりました。
正確な期間は分かりませんが、1ヶ月から2ヶ月近くは違和感が無くならなかったのではないでしょうか?しかし、人間は様々なことに「慣れる」ことができる、適応力の高い生き物です。いつの間にかその違和感は消えて無くなり、食事の際もまったく気にならなくなりました。
噛み合せがなんだかおかしいと思ったら・・・
人工歯に慣れるに従い、硬い食べ物(センベイやするめ等)を食べてみたり、ガムを噛んでみたり、飴玉を左の奥歯で砕いてみたりと、色々と試してみましたが、まったく問題ありません。
あまりにも硬いものを噛んでしまうと、人工歯が割れてしまう可能性もあるため、そこまでの無茶はしていませんが、普通の食生活を送る分にはまったく不都合無く、非常に快適です。
また、歯科インプラントの大きなメリットの一つとして、天然の歯と同じく「噛み応え」をしっかりと感じとることができるという点がありますが、この点に関しても非常に素晴らしいです。しっかりとモノを噛んでいるという刺激が、左の奥歯の底、顎の骨にまで伝わってきます。まさに「噛み応え」を楽しむことも可能となるわけですね。
また別ページで紹介しますが、日々のメンテナンスは大変ではありますが、インプラントにしてよかったなと、このときは強く思っていました。
しかし、まったく問題が無い様に思えた歯科インプラントではありましたが、人工歯の装着から3ヶ月程たった8月に、突然噛み合わせがおかしくなるという状態に遭遇。左の人口歯と上側の歯が「カチカチ」と当るようになってきたのです。
かみ合わせは、普通の天然の歯であってもおかしくなることはよくあります。有名な事例としては、肩こりが発生するとかみ合わせが悪くなり、頬の内側を誤って噛んでしまうといったものがありますね。
しかし、今回のかみ合わせの違和感は、明らかに上の歯と下の奥歯(人工歯)が「カチカチ」と音を鳴らす程に干渉している状態です。これは明らかにおかしいと思い、歯医者さんで診てもらうことに。結果、アバットメントと人工歯を固定するスクリュー(ネジ)が緩んでしまい、人工歯がしっかりと固定されていない状態になっていたようです。
確かに事前の説明では、人口歯の固定をネジで行う方法は緩むことがあるとの説明を受けてはいましたが、実際に緩んでしまうとは・・・。緩んでしまった原因としては、噛み合わせが悪くて左の奥歯に強いストレスが掛かってしまい、その結果ネジが緩んでしまったのではと先生はおっしゃっていました。
噛み合わせに関しては特に問題を感じていなかった私でしたが、また緩んでしまう可能性もあるとのことで、人工歯を固定する位置をほんの少し調整し、上の歯にぎりぎり当らない程度の位置で再調整。再びしっかりと固定してもらうことになりました。
先生に「左の歯に強いストレスがかかっているのかも?」と言われたときに、とある心当たりが頭をよぎりました。私は普段は眼鏡をしているのですが、左の目の視力が極端に悪く、右目と左目でかなりの視力差が発生しています。
その影響か、眼精疲労からくる偏頭痛が持病となっており、目の悪い左側に肩こりが頻繁に発生し、なぜか口内炎も口の左側ばかりにできる(左の頬の内側をよく噛んでしまう)という体質を持っていましたので、無意識に「左側」に何らかの強い力が加わっていたのかもしれません。
その事を先生に話すと、「もしかしたらまた緩むかもしれないので、噛み合わせに違和感を感じたらすぐに診察に来てください」と言われて、その日の診察は終了。再びしっかりと固定された人工歯ではありましたが、この出来事によって一抹の不安を覚えることとなります。